コラム(お住まい選びのアドバイス)

「おカネ」から考えるマンションと一戸建住宅の比較方法

住宅には大きく分けて、一戸建住宅とマンション・新築と中古というカテゴリーに分類できますが、一般的にはみなさんのバックグラウンド(家族構成、勤務形態、実家、年齢等)やお好みによってどれにするのかを決めていると思います。

ここでは、ひとつの判断材料として、「住宅ローンやランニングコストの支払金額」という観点からマンションと一戸建住宅を比較する考え方をお教えします。

 

先ずは一般的に言われているマンションと一戸建住宅の長所についておさらいしましょう。

 

<新築一戸建住宅と比較した新築マンションの長所>

オートロックや戸締りのラクさ等、セキュリティに優れている

木造と比較して断熱性が高いので光熱費が安い

同価格帯の一戸建住宅と比較して住宅設備のグレードが高い傾向にある

同価格帯の一戸建住宅の庭よりもバルコニーが広めの場合が多い

ワンフロアで階段が無いので日常生活がラク

メンテや管理は管理会社任せでラク

眺望が良い(周りから家の中を覗かれにくい)

大規模マンションの場合、キッズルーム等の共用施設が充実

インターネットやCATVの初期費用・ランニングコストが安い

殆どの物件がフラット35S利用可能

長期優良住宅物件も一戸建住宅に比べて多い(フラット50)

火災や地震のリスクが低い(火災保険料・地震保険料が安い)

 

<新築マンションと比較した一戸建住宅の長所>

駐車場代がかからない

管理費がかからない

修繕積立金がかからない

2台駐車可能物件はさらにオトク

建替えは所有者の自由

土地の価値は無くならない

駐車場が目の前

上下階やお隣りの音を気にしなくて良い

土の庭がある

 

といったことが挙げられます。

つまり、「おカネ」から考えるマンションと一戸建住宅の比較というのは、これらの長所を「おカネ」に換算して、公平に比較しましょうということです。

 

「一戸建住宅は管理費・修繕積立金と駐車場代がかからない」とよく言われますよね。例えば一戸建住宅の営業マンは「管理費・修繕積立金・駐車場代を住宅ローンに換算すると、マンションより1,000万円以上多く借りられますよ・・・。」と勧めてくるでしょうし、マンションの営業マンは、「一戸建住宅も自分で管理や手入れをしなければなりませんし、マンションの便利さとセキュリティはお金には代えられません・・・。」などと勧めてくるでしょう。

 

では、実際はいったいどのくらい住宅ローンとランニングコストの支払金額が違うのでしょうか?

例えば、同じ3,500万円の一戸建住宅とマンションの場合で、仮に管理費・修繕積立金・駐車場代がそれぞれ1万円で合計月々3万円とし、将来的にかかってくる内装のリフォーム費用は同じと仮定します。また、一戸建住宅も長い目で見れば外まわりの修繕費用がかかりますし、建替え時期も平均的にマンションより早いと言えますから、修繕積立金もマンションと一戸建住宅の月々の支払いの差額には含まれないと仮定します。この時点で月々の支払金額の差は2万円ですね。

ここからがマンションの長所を「おカネ」に換算していくわけですが、一般的にマンションの方が断熱性が高いため光熱費が安くなりますし、インターネット環境にかけるランニングコストもマンションの方が安いですよね。それに、マンションのセキュリティに近づけるため、一戸建住宅にホームセキュリティを導入したりすれば、そちらにも導入費用やランニングコストがかかりますし、火災保険料や地震保険料も一戸建住宅の方が高いです。

これらの差額を仮に1万円とすると、一戸建住宅と比較してマンションの方が多くかかる月々の差額は約1万円ということになります。この約1万円が35年の住宅ローンでどのくらいの金額に換算されるのかというと、300~400万円ということになるわけです。

つまり、当然所有する車の台数やその他様々な要素で前後するとは思いますが、一戸建住宅とマンションを比較する場合、単純に、管理費・修繕積立金・駐車場代の3万円が35年の住宅ローンで1,000万円の借入をするのと同じだから、一戸建住宅とマンションでは1,000万円の格差があると考えるのではなく、ご予算に10%程度の価格差を持って比較するということも、判断材料のひとつとなるわけです。

例えば、3,700万円の一戸建住宅と公平に比較するために、マンションは3,300万円くらいの物件を対象に検討し、逆に3,700万円のマンションと公平に比較するために、一戸建住宅は4,100万円の物件を対象に比較する。といった具合です。

先に申し上げた通り、一戸建の営業マンは一生懸命一戸建のメリットとマンションのデメリットを説明するでしょうし、逆にマンションの営業マンはマンションのメリットと一戸建のデメリットを一生懸命説明するでしょう。しかし、この「おカネ」から考えるマンションと一戸建住宅の比較の仕方のことを理解していれば、今後いろいろな物件を見学して迷うようなことがあったとしても、冷静にジャッジしてご自身のお好みのお住まいを選択することができるのではないでしょうか。