コラム(お住まい選びのアドバイス)

2014年消費税UPの住宅業界への影響について

3月25日号に全住協会長と内閣官房長官の対談の記事が掲載されていましたが、大まかな内容としましては、景気は上向いているが、消費税UPによって腰折れにならないよう、住宅税制を補正予算でキチンとケアするということ、建設工事費の高騰を抑える対策を講ずること等でした。

我々のように不動産業界の最前線にいる者の実感としまして、不動産の売れ行きは、昨年は駆け込み需要がある程度ありましたが、今年に入ってから駆け込み需要は予想していたほどではない低いレベルであり、増税後もそのまま継続してしまっているという印象です。

しかし問題となっているのは、昨年の駆け込み需要で成約した物件について、各デベロッパーが建設工事費の高騰に苦しみ、引渡しの遅延にアタマを抱えているという状況にあることです。

具体的には、昨年の秋ごろ計画・販売された消費税増税前引渡しの建売住宅は、前述の通り駆け込み需要で昨年のうちに多数成約しているのですが、それらの物件がことごとく建築遅延により消費税UPの前に引渡しができていないのです。

原因は建築の人材不足と人件費の高騰です。各デベロッパーが消費税UPの前に引渡ができるように土地仕入れから販売・建築・引渡の計画を組んでしまった為、建築時期が集中し、ある意味パンクしてしまったのですね・・・。もちろん二度に渡る大雪の影響もパンクに拍車をかけてしまったということも言えると思います。

そのことにより、現在、建売デベロッパー各社は成約済みの物件以外は建築をストップせざるを得ない状況です。もともと売れ行きが良くない状況も続いていますので、これらのことがあまり表面化していないのだと思います。引渡が遅れてしまっている購入者は、消費税が3%UPしてしまった分と、遅延した間の家賃負担等を建売業者に負担してもらうなどして、事を修めているようです。

今後はこれらの昨年の駆け込み需要物件の引渡しが進んで建築ラッシュが落ち着いていくことになり、同時に人材不足と人件費高騰も収まっていくでしょう。反対に、それまでは少なくとも不動産業界内のアベノミクス景気はどうしても停滞することになってしまうと思います。

今後注視すべき点は、今後の住宅税制の拡充や人材確保のための法整備により、その後どれだけ建築工事費が落ち着きを取り戻し、住宅需要が回復するのかということだと思います。 今年の秋頃には、”アベノミクスはやはり素晴らしかった。来年も計画通り消費税が10%にUPしそうだ。”と言われるようになって欲しいものですね。