コラム(お住まい選びのアドバイス)

重説のIT化について

「どうなる、重説のIT化」という記事が掲載されていました。

「重説」とは重要事項説明のことで、購入や賃貸しようする物件について、文字通り重要なことを、宅建業者が購入者・賃借人に説明することです。

説明する内容や項目は、法律により細かく定められており、宅建主任者が説明をしなければなりません。宅建業者が重説を怠ると厳しい処分が待っています。

さらに、重説は契約することが決まってから行い、数日おいてから契約することが望ましいとされています。つまりその場合、契約者は重説と契約とその都度宅建業者に出向くことになります。これは、契約者が本当にその物件を購入して良いか、借りても良いかを判断する期間を設けなさいという理由からです。

「重説のIT化」とは、インターネットを利用して、宅建主任者も契約者も在宅で重説を行うことができるようにすることです。

一見すごく合理的で便利なように感じますが、様々なデメリットもあるので、推進派と消極派で意見がかみ合わず、平行線をたどっているという状況なのですね。

ところが、先に重説を行ってから数日おいて契約するのが望ましいとされていると申し上げましたが、実際業界内で行われている取引は、契約することが決まってから重要自己説明書を作成し、契約日の当日に重説を行い、そのまま契約書の説明を行って契約締結をするというやり方がほとんどです。その理由として、宅建業者は契約者の気が変わらないうちに少しでも早く契約して欲しいと思っていますし、契約者の方も物件が他の人に取られてしまいたくないという心理になっていることが挙げられます。

つまり「重説のIT化」の目的の一つ「二度手間を解消する」というのは、言い換えれば、望ましいとされる来店二度手間の取引は現状殆ど行われていないので、契約数日前の重説を1度の来店で実現させるためとも言えると私は思います。

それなら私は推進派なのかというと、そうとも言えません。なぜなら、なし崩しに契約すべきでないとされる、問題があったり複雑な物件は、インターネットで説明するのが非常に困難な傾向にありますし、逆に問題なくインターネットで説明できるような物件は、契約当日に重説行ってそのまま契約しても後にトラブルにならない傾向にあり、結局その方が契約者と宅建業者がの手間や負担も少ないからです。

それから、仮に私がインターネットでお客様に重説を行うことを想像した場合、恥ずかしながらまずスカイプ等の環境が整っていなかったり、整え方がわからなかったり、やりとりを保存すると言ってもどうやってするんだろう等、イメージしづらい点が多いですし、同じように感じるお客様が、現状では大多数を占めるのではないかと思ってしまうのも事実です。

先ずは重説のIT化を実現化して世の中が追いついていけば良いという考え方と、世の中のインターネット環境がもっと整ってからの話という考え方のぶつかり合いなのかもしれませんね。